震災前、現場作業員の俺はどうにか人間を使ってピンハネしようと動いていた

しかし、美味しい仕事は廻ってくるはずもなくタイミングを計り辛抱していた


震災後の3月中、急遽ビックリするくらいの仕事が舞い込んで来た


「福島に行ける人間居ないですか?」


今まで自給1600円くらいでしか話しをしてこなかった奴がいきなり「日当30万」の仕事を持ち込んできた

話しを聞くと「中国電力」からの仕事だという


当時の俺は既に原発事故の状況、それに対するメディアの隠蔽、世間との危険認識のギャップに悩まされ、まるで自分が映画の主人公のような気持ちになっており、

「そんな人殺しのようなマネは出来ない」

と、降って湧いた人生初めての大金GETのチャンスを蹴った


日当10万出しても一日20万、こんなチャンスは二度とないだろう


後に、こんなに一般の危険認識が低いなら「金」の為に派遣すれば良かったと思う時期もあった
それ程、いまだに金に苦労している

その時、金に走ってたら一月25日稼働で月500万、
必死に働いても稼ぐ事の出来ない金を手にする事が出来たのだが後悔はしていない


現在、事故当時よりも単価は下がったのだろうが、現場で働くヤツは日当1万くらいと聞く、
6次下請け?


ある現場のおっさんが
「今は、仕事よりも人間の方が安くなった」
と言っていたがまさにその通りの世の中だ